医学・内科的問題
消化器疾患
①細菌性下痢症;
遠征、(特に海外遠征)に行った時に一番起こるやすいのは
細菌性下痢症である。
予防的に抗生物質を毎日(遠征中に)1錠朝食後に投与するの
も良いですがそれでも100%きくともいえない。
海外でまず細菌性下痢症を予防するためにいくつか全選手、
スタッフも含めて要注意しなければならないことはいくつが
ある。
① 生水は飲まない、ミネラルウォーターか煮沸水を飲用する。
水割りの氷も安全なみずからつくる。
② なるべく自分で調理する。調理人に任せる場合、衛生教育と
健康管理(健康診断)などに気を配る。
③ 刺身は不可。口に入れるものは全すべて加熱処理
(自分で皮をむいた果物だけは生でOK)
④ 調理したらすぐ食べる
⑤ 用便後、帰宅後、調理前、食前の手洗いを励行すること。
⑥ 手を石鹸と水で頻回に洗うこと。
⑦ 足は乾燥して清潔に、はだしで歩かない
⑧ 氷を入れた飲み物は飲まない。
⑨ 部屋で買ったものは食べない。
⑩ ミルク製品は飲まない
⑪ 泳がない
⑫ 食料を差しいられてもルール的に受け入れないように
徹底させる
プロのサッカーチーム以外にはあんまり海外遠征はないから
といってもこの注意点は一応頭の中に入れておいたほうが
そんすることがないと思います。
いったんかかってしまったら、抗生物質(ST合剤)、重傷者
には点滴を投与する治療方法がありますが、いったん何人か
かかってしまったら、チームの構成が壊されることまでつながり
ますので十分注意が必要です。
②消化器系統にみられる症状;
消化器系統とは口から始まり食道、胃、十二指腸、小腸、
空腸、回腸)、大腸を通って肛門までをいう。
食物を消化して吸収する役割を持って入る。また肝臓、胆嚢、
膵臓も消化器系統に含む。消化器系統は運動していない時に
活発に働いている。消化器系統を働かさせているのは副交感
神経系統である。副交感神経からはアセチルコリンが
分泌され、これが消化器系統を刺激する。
副交感神経は交換神経と反対に動く。運動する時には交換
神経が主体となり、アドレナリン等の交換神経系統の
ホルモンが活発に分泌されている。これらのホルモンは
消化器の動きをさえる。すなわち、活発に運動するようなとき
には、交換神経系ホルモンが動き、代謝を便新させ、
エネルギーをつくり、酸素を多く取り入れている。
一方、ゆっくりしている時や、寝ているような時には副交感神
経系の動きが主体で、エネルギーを貯蔵するように動いている
のである
消化器系にみられる主な症状については はきけ、おうと、
胸焼け、げっぷ、食欲不振、腹痛、下痢、便秘、下血などである。
運動と関係している消化器系統の疾患種類をあげると、
逆流性食道炎、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、過敏腸症候群、下血、
食中毒などが上げられる。これらは運動に関する重要な問題に
なりますので早めに専門医師の診察を受けなければならない。
③過敏性超症候群;
約70%の人は罹患するといわれる過敏性大腸症候群は
消化器疾患の中では最も多い。スポーツ現場でも多く見られる。
この病気の症状は、腹痛伴う下痢、または便秘である。選手は
ふだん何もないが、試合を前にして緊張のあまりトイレに
駆け込むようなことが良く起こる。
過敏性腸症候群の選手は腹痛・下痢を起こすような食物をよく
知っておいて、避ける事が大事である。このような食物を特に
けしてとらないよいうに注意が必要である。(参考に栄養ページをご覧ください)
精神的なアプローチが効果的なことも多いが、薬物療法はよく
効く。腸の運動抑制剤であるロペラミドを使って試合の緊張感
からくる腹痛・下痢を抑えることも有効である。
このような問題を起こりやすい選手は一応一回専門医師に相談しましょう。
スポーツ選手は一般的な病気にかかったしまった時。
一般的に誰でも年間何回もかかったしまったもっとも一般的な
病気は発熱、風邪についてサッカ選手はかかった場合には
対策方法も含めて次のことを参考にしましょう。
発熱と風邪;
発熱は一般的に最もよく見られる病態の一つで発熱を経験した
ことのないスポーツ選手はいないといえよう。発熱はその程度に
より、微熱 37.0°~37.9°、中等熱 38.0°~38.9°
高熱 39° 以上 に分けて取り扱われる。発熱の程度に
応じた熱感のほか、しばしば全身の倦怠感や種々の程度の
発汗を伴い、体温が急激に上昇したような場合は悪寒・戦慄を
感じる。
スポーツマンにおける発熱の原因として主なものは種々の
感染症であり、感染症のうちでもっとも多いのはいわゆる
風邪である。
日本ではスポーツ選手の1年間でひく風邪の回数の調査結果によると;
年間 0回1%、1~2回68%、3~4回22%、4回以上9%である。
風邪症候群に含まれるもの;
コーチとして注意しておくべきことは、いわゆる風邪は、
風邪症候群として扱われており、いくつかの病型のものを
含んでいることである。初期の症状は似ていても、普通感冒と
インフレンザとでは体に与える影響は大きく異なる。スポーツ
活動の対する影響も、それぞれの病型により異なることを
知っておく必要がある。
発熱型の注意点;
発熱時に注意すべきことはまず体温測定し、その程度を
正確に把握することである。だるさや身体の違和感など全身
状態についてよく聞くことも重要である。その状態により単に
風邪として診断されない場いいが多い。
スポーツ活動の継続と中止の判断;
発熱時や風邪をひいているときには、いうまでもなくスポーツ
活動を中止するのが原則である。しかし現場では従来よりかぜ
を風邪を軽視しがちで、「練習をすればなおる」などとよく
いわれる。しかし、競技力の点からもまたトレーニング効果の点
からも、風邪などのウイルス性呼吸器感染症を罹患しているとき
にスポーツ活動を行う利点は、精神的な満足感別にすればない
といえる。その理由は、スポーツ活動に必要な酸素交換を行う
呼吸器、特に肺が障害されており、当然呼吸器機能は低下して
いると考えられる。また、心機能についても発熱時や風邪を
ひいた時にはなんらかの影響を受けている。
例えば、風邪をひいているときに軽運動でも心拍数が安易に増加すること
しばしば経験する。加えて、風邪をひいた時には、しばしば節々
が痛むが、これには筋肉や関節も影響をうけている証拠である。
このように風邪症候群の場合、できるだけスポーツ活動を避け、
速く治すことを心かけるべきである。どうしてもスポーツ活動を
許可する場合があるとすれば普通感冒や軽い咽頭炎ぐらいであろう。
具体的な目安としては、スポーツ活動を中止しなければ
ならないつぎの5点をあげよう;
① 中等度以上の発熱
② 強い全身倦怠感
③ 強い頭痛
④ 物を飲み込む時の咽頭通
⑤ 黄色の痰を伴うとき
いずれも治療と安静を必要とする状況である。同時に医師の 診察を受けるように指導すべき。
治療、特に風邪薬について;
風邪症候群などウィルス性疾患では特異的な薬物治療が
難しく、しばしば対症療法としていわゆる風邪薬が使用される
ことが多い。総合感冒薬にエフェドリンやコテインなど、
ドーピング・コントロールで禁止されている薬物が含まれている
ので注意を要する。サッカー選手のドーピングコントロールで
陽性と判定されるケースの多くは不注意な風邪薬の服用である。
中等熱や高熱では水分の補給にも留意する。総合感冒薬を
服用して2~3日で解発しない場合は、単純な普通感冒では
ないと考えて、必ず医師の診断を受けさせる。
また、薬物治療によって解熱・鎮痛しても対処療法に過ぎず、
疾患そのものが治癒したのではないことをよく選手に説明し、
スポーツ活動に対して慎重にすべきことを理解させて
おかなければならない。
一般的な病気が治ったからの
スポーツ活動の再開について;
一般的にいわゆる風邪である普通感冒の症状自体は、2~3
日と短期間でも、ウイルスの消長から見た疾患自体の自然経過
は1~2週間以上かかると考えてスポーツ活動を計画する方が
安全である。軽い普通感冒以外の場合は、治癒後一ヶ月ぐらい
は激しいトレーニングへの復帰は避けたほう
がよい。
コーチとして注意すべき点は、疾患そのものは軽症でも無理を
してトレーニングをしたり、試合に出場したりすることにより病状
が遷延したり、オーバートレーニングに陥ったりして予後悪くする
場合のあることである。この背景には、激しいストレスとなる
ようなトレーニングを行っている場合は免疫機能が低下し、
生体防御能力が落ちている可能性が考えられている。
特に減量を行っている場合には慎重に対応する必要がある。
肺動脈血栓塞栓症(エコノミー症候群);
肺動脈血栓塞栓症という病気は体動脈系、時に下肢の深部静脈で
形成された血栓が血流にのって肺に到着し、肺動脈を閉塞する
疾患である。本症は臨床的に急性と慢性に分類される。急性は、
発症後短時間のうちに致死的になりうる。
肺動脈とは、身体から心臓に戻ってきた静脈血を肺に送り、肺の
毛細血管で酸素を供給し、動脈血化させるための通路である。
この通路が(肺動脈)血栓によって遮断されると静脈血は肺へ輸送
されず、酸素かできなくなる。この現象が急激に起こると死亡に至る
場合もある。では、なぜこの現象(肺動脈血栓塞栓症)がエコノミー
症候群と言われるようになったのでしょう。飛行機での長距離旅行
では、狭い客席に長時間じっとしなければならない。
時に窓側の客席に座っている乗客はトイレに行くのは大変だから、水分も
摂るのを制限している乗客もいると思われる。このように長時間
動くことをせず、しかも水分を摂取も制限していた乗客が目的地
に到着し動き始めて際に急に息苦さを訴えることがある。運が
悪ければ死亡することもある。このように、長時間動けず、水分
摂取を制限している状態では血液はどろどろになり血液の粘性
がたかまり、下肢の深部動脈にできた血栓をつくりやすい状態と
なってしまう。深部動脈にできた血栓が下肢を動かす動作とともに
深部動脈より血栓がはがれて、肺動脈につまってします。
現代このような症状は飛行機で長時間旅行するときだけじゃなくて
似たような状態で水分もとらないでいる場合でも起きる、飛行機の
場合でエコノミークラスの客席は狭いから飛行機で起きるこの症状
はほとんどこのエコノミークラスで起こっているからこういわれる
用になりました。実際ビジネスクラスでも起きることがある。
実際の例を挙げると2002年ワールドカップの時に海外で活躍
している日本代表選手にはこのように症状が起こって代表
メンバーからはずさなければならないことになった、実際この選手
もエコノーミクラスじゃなくてビジネスクラスに乗っていました。
肺動脈血栓塞栓症の予防;
もし長時間飛行機に乗ったりまたは何かの原因で長時間あんまり
動かないでいなければならない状況の時に下記の項目を予防
として覚えておきましょう。
① 水分の補給を心かけましょう
② 足を動かせましょう、足指、足首と足指でぐ作ったり、パー作ったり、つま先立ちを繰り返したり・・
③ ふくらはぎを揉むようなマッサージする
④ アルコールをたくさん飲まない、かえってトイレに行きやすくなって行くたんびに余計な水分は放出される。
⑤ 年齢が40歳以上で持病に糖尿病、高脂血症がある、小太りのひとは十分水分をとることが必要です、
⑥ 最近下肢に怪我し選手も十分注意を必要です
一次救命措置
選手は練習や練習試合または試合で突然倒れた!!こんな状況で
は一番責任もって行動しなければならないのは指導者、コーチで
ある。
プロの世界だとすぐ行動を起こすためにはクラブドクターなど待機
されていると思いますが少年団、中学校、高校、アマチュアークラブ
の場合でどうすればいいでしょう、先ほども述べたようにコーチが
まずせきにんもって行動を起こすために最低下記のことを覚えて
見ましょう。
まず、突然たおれた状態はどのような場合かを判断する。倒れる前に他の選手とのコンタクトがあったか、
頭部をぶつけたかを判断する。倒れた状態ではまず、意識があるかないかを判断することが必要である。成人の一次救急処置の第一歩である。
意識がないなら救急車を呼ぶ、AEDをもってきてもらう。気道確保などの救命処置をおこなう。
以下に成人の一次救急処置のアルゴリズムを示す。
1- 体動なし、または反応なし。
2- 119番または救急番号に通報。AEDを持ってくる。
3- 気道を確保し、呼吸を確認する。
4- 呼吸がない場合は、胸の上がる人工呼吸を回おこなう。
5- 反応がなければ脈拍をチェック。秒以内に明確な脈拍を感じるか?
6- 脈拍がなければ胸骨圧迫30回と人工呼吸2回のサイクルを実施する。
7- AEDを装着する。
という順序で救急車が到着するまで心肺蘇生を行う。
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