今回は指導実践シリーズで、《中盤の守備》について記述したいと思います。
指導実践は、決して理想論ではなく、やり込めばやり込むほど、
経験を積めば積むほど、自チームの指導や自分の指導の幅を広げるために
本当に役に立ちます。
もちろん、文字だけでは机上の空論となりますが、まずは、頭できちんと整理し、
指導のストーリを持っておく事が大切です。
今回は《中盤の守備》のテーマ理解と、指導実践においてストーリーを持つ事について
お話したいと思います。
指導実践におけるストーリーとは
前回の指導実践シリーズ《チャレンジ&カバー》の時には、テーマの考察について触れました。
この段ではストーリーについて考察します。
指導実践でも、普段のトレーニングでも、最終的にはどちらもテーマにしていたことが
できるようになっている、少しでも改善されていることが狙いだと思います。
その狙いを達成するため、選手に伝わりやすい順番で指導実践(=トレーニング)を進められるよう
物語を考えておく事です。
そして、その時には絶対にサッカーの本質や目的、原則から離れない事が肝要です。
前回の《チャレンジ&カバー》を例に取ると、
- 守備だからボールを奪いに行かせる
- 攻撃側に突破する事を促す、または、簡単に失わないように指導する
- 守備側の奪いに行くチャレンジの難易度が上がる
- 同時にカバーの必要性が出てくる
- チャレンジ&カバーを整理する(ポジショニング、チャレンジの優先順位等)
- さらに攻撃側に質の高いプレーを要求する、または意外性のあるプレーを促す
- 失敗と成功を繰り返し、守備の精度を上げる
- 奪ったボールを攻撃に繋げるところまで実施し、最後にゲームでできるようにする
簡単ですが、こういう流れになるかと思います。
注意しないといけない事は、考えたストーリー通りにやろうとすると、
目の前の現象ばかりに気を取られてしまい、不自然になります。つまり、選手が躍動しません。
特に指導実践では時間も限られているので、できていることについては割愛(シンクロで指導)し、
そして、同時に2つも3つも働き掛けないといけません。
上記で言うと、積極的に奪いに行く個がいて、上手に突破しようとする攻撃の個があるなら、
チャレンジ&カバーの整理から入っても構わないということです。
指導実践試験ではフリーズコーチングを1度はやりましょう!と義務付けられている場合がありますが、
フリーズコーチングを順番通りにやろうと考えると、現象が起きるまで待たないといけない、
つまり、出てこないかも知れませんので、注意が必要です。
(現象を引き出す工夫や分析については別の機会に)
中盤の守備とは
文字通り、中盤で実施する守備をテーマにしています。
では、なぜ、わざわざ【中盤】と銘打たれているのでしょうか?
中盤とはどういう意味なのでしょうか?
ここで言う中盤とは場所のことを指し、状況によって前後に移動しますが、
ピッチを横に3等分した真ん中のエリアになります。
では、ここは守備において、何を意識する・できるエリアなのかを考えます。
守備には2つの目的があります。
1つはゴールを守ること、もう1つはボールを奪うことです。
当然ですが、中盤のエリアは自陣に比べて、ゴールから遠いので、
ボールを奪う事にウエイトを置く事が可能です。
前線でも同じ事が言えますが、前線から奪いに行くと、今度はディフェンスラインの背後に
大きなスペースを与えてしまう事になり、1発で大きなピンチを招くリスクが伴います。
それゆえ、中盤では積極的にボールを奪いに行く場所だと言えると思います。
そこから紐解くと、テーマの考察に繋がりやすくなります。
いつ、どこで奪うのか?どうやってそこに誘い込むのか?誰が主役となるのか?
そのためにどんな戦術行動が必要になるのか・・・?反対に何をやられてはいけないのか?
こういう観点で指導実践でのストーリーを考え、練習計画(プランニング)を立てると良いでしょう。
最後に
具体的な方法論については、次回に譲りたいと思います。
また、以前のA級ジェネラルのテーマでは、《中盤の守備》ではなく、
【中盤で〇〇〇に〇〇〇を〇〇守備】となっておりました。
現在のA級ジェネラルのテーマは、『中盤で〇〇〇を〇〇守備』となっています。
それはまた別の機会に、または、リクエストがございましたら、掲載したいと思います。
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