昨今、eスポーツという言葉も当たり前に使われるようになり、学校のクラブ活動として正式に承認される動きも広まって来ました。マイナスの面も無視できないものの、サッカーやビジネスの面でも有効なポイントがあることに目を向けたいと思います。とは言え、まずは弊害の部分から観ていきましょう。

ゲーム障害
世界保健機関(WHO)は2019年の5月に、ゲームのやりすぎで日常生活に支障が出る依存症を
「ゲーム障害」と位置付けました。
ギャンブル依存症等と並ぶ精神疾患の1つとして国際疾病分類に加えています。
ゲーム障害の定義としては以下のようになっています。
- ゲームの時間や頻度を自分でコントロールできない
- 他の生活の関心や日常的な活動よりもゲームを優先してしまう
- ゲームによって社会活動や家庭生活等に著しい問題が生じても、
ゲームを止めることができない
こうした状態が1年以上ある場合、ゲーム障害と診断されます。さらに症状が重篤な場合は、
より短期間で診断できるものとなっています。

何が問題なのか?
ゲーム障害は、20代以下の若者に限った話ではなく、30代以降の働き盛りの世代にも広まっています。
スマートフォンに代表されるような身近なツールを用いたゲームが普及し、「いつでもどこでも」ゲームを楽しむ事ができるようになる半面、より一層、ゲーム障害になる危険性が高まっていく可能性があります。
また、ゲームはアプリ内で課金するタイプもあるので、依存と相まって経済的にも大きなダメージを被る恐れがあります。
このように日常生活やその後の人生に様々な悪影響を及ぼす危険があることから、世界中で重大な問題として認識されるようになっています。
筆者の個人的な定義としては、
- お金を借りてまでやる、または、使ってはいけないお金でやる
- ゲームをするために嘘をついてしまう、その嘘の内容が重くなっているにも関わらず、
嘘をつく事に抵抗がなくなってしまう
こうなってしまうとゲーム障害&依存症となり、気合や根性で治るものではなくなってしまうでしょう。

対策は!?
対策は万全とは言えないようですが、各ゲームメーカーも年齢確認や課金額の上限を設ける等の対策を講じています。
また、いくつかの企業もサポートに動いています。
福岡市のある企業では、ゲーム依存で不登校に悩む家庭に、ゲームの攻略を勉強に適用した学習サポートを行っています。

PDCAサイクル
ここからは、やっとですが、良い面のお話をしたいと思います。
eスポーツを楽しむ子どもたちは、攻略ポイントに差し掛かった時、
- ①勝つためのシナリオを構築
- ②実践
- ③プレー後の検証
- ④改善点を模索
これからを自然に行っているそうです。
これはビジネスで言う品質管理や業務管理の改善手法の1つであるPDCAサイクルと同様のプロセスを踏んでいる事になります。
同時にサッカーの子どもたちが、自分で勝つ方法を考え、対戦し、反省し、より良い方法を
自分たちで考えるというサイクルができれば、これと同じ事になります。

OODAループ
子どもたちはPDCAサイクルとは別の行動を取っている場合もあります。
- ①色んなタイプの有名なプレイヤーの動画を観て
- ②その中から有用(有効)なスタイルを見付けて
- ③さらに自分に合ったプレースタイルを定めて
- ④実践します
これもビジネスの世界で応用されているOODAループと同様の意思決定プロセスになります。

まとめ
このように子どもたちはゲームで遊ぶことを通じて、自然と将来に活かせるようなスキルを身に着けることができます。eスポーツを楽しむ子どもたちは、こうしたことを日常的に行っています。これはサッカーでも同じのはずですね。
その全てがゲームを楽しむことに通じており、われわれ大人でも考え付かないような戦略を立てることもあります。
プロゲーマーに必要な知識と技術は、プロゲーマーに限らず、子どもたちが何かを学んだり、探求したりする際にも非常に有益となります。
われわれ大人は、ゲーム=反教育ではなく、また、「学ぶためのゲーム」から、「その中に学があるゲーム」とは何なのか、改めて考察する時が来ていると思います。
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